式神「玉藻前」の誕生物語~原画とビジュアルデザイン編

2017-09-21
返回
「照りもせず曇りもはてぬ春の夜の朧月夜にしくものぞなき」『大江千里集』、百鬼夜行、魑魅魍魎はるか昔の伝説や妖しの物語はどのように人々の想像として具現化されているのか、どのように平安世界を作り上げるのか、どのように私たちの前に現れるのか、どのように私たちの友人、親しき人になり、共に過ごすのか?
 
今回は『陰陽師』のイラストデザイナーの視点による、この美と妖の世界をどのように描き、そして解釈しているのかを一緒に見ていきましょう。
 
小白は『陰陽師』の世界の裏側に潜入することに成功しました。なんと絵を描いている真っ最中のデザイナーさんを発見しました。彼らはイラストの細かい箇所も試行錯誤を重ね、何度も描き直しています。小白はこの繊細な作業にただただ驚くばかり!
 
杜甫:十日一水、五日一石」焦らず、焦らず、じっくり絵を描いているんだよ、とデザイナーさんは小白に語ってくれました。
 
そして、彼らは小白の特別任務と聞いて、その手を休めてくれてインタビューを引き受けてくれました。小白はこの時ようやく絵の全体を見ることができました。
 
 
『陰陽師』のデザイナーとの出逢い
 
小白:こんにちは。お目にかかれてとても嬉しいです!まずは自己紹介をお願いします。
 
幾困:皆さん、こんにちは。私は幾困です。今は陰陽師の原画デザインを担当しています。去年の九月に陰陽師の制作チームに加わりまして、初めてデザインしたのは白狼のスキンです。
 
Sheep:みんなこんにちは。私はSheepです。陰陽師では姑獲鳥のスキン「金鸞鶴羽」、シシオのスキン「紫苑藤雪」、と新式神「玉藻前」の覚醒後のビジュアルをデザインしました。
 
△Sheepさんは絵がスゴく上手なスペシャルデザイナーさんですよ!
 
小白:それでは最初の質問ですよ陰陽師のデザインの制作中で、一番達成感を感じるのはどんな時ですか?
 
幾困:自分がデザインしたものがゲームに登場すれば、それだけで達成感があります!
 
Sheep:私はなんでも好きです。なぜなら自分はとてもゲームにはまり込んでしまうタイプで、絵を描くモチベーションもとても強いので自分が想像した妖を描きたくて、いつもうずうずします。しかもデザイン部署の責任者の方もとてもオープンなスタイルで、自由にデザインさせてくれるんです。(ちなみに、私はゲーム内で姑獲鳥のスキンを手に入れられませんでした・・・(泣))
 
イラストレーターはすべての作品に努力と愛情を込めているんですね!ちなみに、小白もsheepさんと同じくスキンをもらえなかったです。。
 
小白:きっと皆さん共通の疑問だと思うのですが、イラストレーターは式神を制作する上でどのようなプロセスを踏んでいきますか?イラストの制作時間は大体どのぐらいですかね?
 
幾困:原画の構想からだと、まずは資料探しをして中から何かひらめくことがあるかを探すことかな。そしてインスピレーションをつかみアイディアが浮かんだら、まずは早速描いてみる。その後責任者とプロダクトマネージャーに見せて審査をしてもらいます。通常スムーズに進行する場合は一週間以内に方向性が決まります。ですがもしうまくいかないと。。。泣
 
Sheep:私が思うのは、キャラクター設計で最も重要なことは、企画側の要求を汲み取ってキャラクターに一番ふさわしい性格とテーマを選択することです。
テーマが決まれば、そこを深く掘り下げて想像し、衣装やアクセサリーがストーリーに合うかどうかを判断します。
 
 前もっての下準備が大事だということがよくわかりますね!ゲーム原画の特に重要な点は、デザイン感と人物の性格だということですね。例えいくら絵が上手くてもキャラクターに感情がないと魂がないようなものになってしまうんですね。
 
小白:次に、式神スキンのデザイン時に、ゲームの元々の設定を重視しますか?それとも自由に発想しますか?
 
幾困:普段は二種類の方向性を出します。ひとつは元々の設定に合わせて、もう一つは自由に発想したものになります。
 
なるほど!これこそがスキンが最も魅力的に見える秘訣なんですね!
皆さんもきっと新しい式神のビジュアルを見れることが楽しみだと思います
 
小白:またまた質問です!制作中の一番楽しいことと辛かったことはなんですか?
 
幾困:うれしいのは自分が作ったものにオッケーが出ることかな。逆に辛いのはなかなかイメージがつかめないこと。本当に辛いんだよなあ。
 
Sheep:ピンとひらめいた時が一番嬉しく、またラフ設計や各種デザインのプランを考えるときも楽しい。大変なのは細部の描写と三面図ですね。
 
皆さんの大変な毎日が目に見えるようです
 
小白:それでは次の質問です!好きな式神は誰ですか?
 
幾困:妖刀姫お姉さまかな。ひとつひとつの攻撃が力強くて無駄がない感じがやばいですね。
 
Sheep:私が好きなのは、きっとあんまり人気がないキャラなんですけど、傀儡師と清姫です。伝記もとても魅力的ですし、私の初めての星6も傀儡師だったのですよ。
 
小白:式神のスキンの多くはとても繊細で、皆さんも細部まで気づきにくいことがあると思いますが、今まで描いた中で一番好きな式神の細部はどこですか?
 
幾困:私は、玉藻前の覚醒前の背部が好きかな。それと雪童子のデザイン時に描いたラフ絵。デザイン過程をみんなに見せる機会はないかもしれないけど....
 
Sheep:実は、姑獲鳥の頭の丸い飾り物が実は好きなんですよね。
 
「新バージョンの最新情報を大公開」
 
イラストレーターのみんなが思う玉藻前はどんなイメージ?
彼らはみんな自分が式神に対する感情をまずはペンで書き出します。それを言葉で表すとしたらきっと彼ら自身の感じ方と思いがあるはず!
 
小白:玉藻前の設定案を見た第一印象はどんな感じでしたか?
 
幾困:とても神秘的ですね。
 
Sheep:心を奪われるくらいの美しさがあり、同時にこの美しさが自身の悲劇の引き金となり、そしてすべてを燃やし尽くしてしまう。
 
 
なんだかスゴそうですね
 
小白:少々気を取り直して、あなたが思う新式神のデザインで難しいところはどんなところすか?デザイン中に、すごく悩んだことを教えてください。
 
幾困:玉藻前はとても神秘的で、それでいてなんだか掴みどころがないです。玉藻前も有名な妖ですし、ほかのアニメやゲームでも同じキャラがいるかと思うので、みんなもきっと印象深いかと思います。なので、それを自分にできるのかなって心配になりますし(しかもSheepのイラストが上手すぎてプレッシャーがあるのです!)。雪童子の方は少し順調だったかなと、しかし、覚醒前に対してはいっぱいアイディアがあったのですが、覚醒後はうまくいかなかったです。自由に発想しすぎていて、次ぎの担当に怒られそうでそわそわします…。でも怒られなかったので感謝しています!
 
Sheep:最も難しいのは原画の設定を保ちながら最大限にこれを引き伸ばし発展させることだと思います。統一感を求めるが故に、デザイナーがデザインするものは市場の動向に流されやすくなり、最後の出来上がりが平凡になりがちなこともあります。そしてデザイン全体に立体感がなくなります。本当は違う需要の人が中から自分の求めるものを見いだせるということが理想的です。全体的な設計は基本からあまり逸脱することもできず、大きく方向性を変えない前提で小さい部分を修正する。といった試行錯誤の状況下で自分が作ったものが企画に新しいものをもたらせるのか、どの部分が必要でどこをあまり出してはいけないのかを考えるのはとても難しいです。
 
上はデザインの思考に関してですが、もう一つは技術的な問題です。つまり作ったものが3Dを作る上で、骨格(ボーン)の配置は実現できるかどうか、この企画ではどのようなエフェクトをつければ良いいものになるのかどうかなども考えます。
 
 
玉藻前は本当に神秘的ですね。
 
小白:二人共アイディアとあったのですが、玉藻前をデザインするとき最もひらめきをもたらしてくれたものはなんですか?
 
幾困:私はわざわざ能劇を見に行きましたね。あとはwikiで伝説を調べたりとか。
 
Sheep:私も歌舞伎(男女の絶妙な陰陽感)で、女形の化身坂東玉三郎とかを見ました。基本的に有名な妖ほど人に例えやすく、みんなが理解し解釈しているのが多いですね。だから逆に神秘的な雰囲気が薄れるし、妖怪自身の奇妙感もなくなるかと思います。だからなるべく条件が合う状態で、服装をなるべく江戸時代に近づけ、当時の工芸品に出てくるものを作ったりしました。もし現代感が強いものを入れてしまうと「妖異」な雰囲気が薄れるので、ビジュアルとしては上がったのですが、説得力が下がってしまうような気がします。だから時に現実のものを違う角度から使うのも面白いと思います。
 
デザインのために心血を注いでいるんですね~
 
小白:ではあなたが思う玉藻前の美はどんな美だと思いますか?
 
幾困:性別を超える美?
 
小白:他にも陰陽師が人に与えるのは美だけでなく、雰囲気もあると思うのですが、たまに人にいい印象を与えない妖もいますよね。デザインの時どのようにバランスをとりますか?
 
幾困:なるべく美を第一に、妖の特徴が強すぎる時は中から一部を切り取り、美に進化させます。
 
Sheep:多くの妖は元は動物やものだったりします。だから選ぶときにはそれらの習性、特徴に合わせて素材を選びます。人の形でも、性格設定は「人」感を出してはいけません。人に似せすぎてしまうと、結果的に妖の服を着た人間になってしまうからです。それだとつまらない。
 
陰陽師では、全体のデザインの方向性は非常にシンプルで、デザインをするうえで、デザインの要素が混乱するということはあまりないです。だから「和風」も一つの感じ方で、全体の影の切り取り、服装の構成、色彩、気質から日本要素を入れ独自の雰囲気をもっと持っていると思います。
 
美と妖の結合がまさに玉藻前だと言えますよね創作理念がまさにこれを証明していますね
 
「寮の寄せ書き」
 
小白:陰陽師の開発では一部のデザインをSheepさんを始めとした外部の美術スタッフに依頼しているそうですが、彼らと一緒に仕事をした中で一番印象深かったことはなんですか?
 
幾困:そりゃ絶対に金魚姫です!私をびっくりさせました。彼女のスタイルをすべて引き出してくれましたし、とても可愛くてデザインも素晴らしい。
 
小白:陰陽師のデザインスタッフの一員として、外部デザイナー方たちに一言どうぞ!
 
幾困:今まで本当に応援してくださってありがとうございます。私たちも皆様のイラストからキャラクターに対する愛を感じ取ることができましたし、陰陽師が皆様の筆の下で新しい命を得られるような気がしています。そして皆様のゲームに対するそれぞれの見解や理解、表現を見ていると大変勉強になります。今まで本当にありがとうございます。これからも一緒に頑張りましょう!
 
小白:外部デザイナーの1人としてSheepさんは何か陰陽師チームとユーザーさんに言いたいことはありますか?
 
Sheep:陰陽師というコンテンツは非常に誠意に満ち溢れていて、どの市場においてもどの角度から見ても質が高いゲームだと思います。これからもこの情熱を維持して、外の影響を受けずにもっと面白いゲームの遊びを提供してください!(あとはマイナーな式神をみんなに育てて欲しいですね。楽しいのが一番かなと思います!)
 
改めてお二人ともありがとうございましたこの平安京の世界を創り上げるうえで多々尽力いただき感謝しております!デザイナーの皆さんがいなかったらこんなに輝いてないと思います
 
今回のインタビューはこれで一段落となります。これからももっと皆さんに素敵な情報を与えられるように小白はもっと聞き込み頑張りますよ!皆さん、お楽しみに!
今すぐダウンロード

ダウンロード

近期熱點

官方粉絲團

返回頂部

これは、人と妖が共存していた時代の物語である。もとより陰界の属していた魑魅魍魎は、恐怖に慄く人々の間に潜んで機会を伺い、陽界の秩序は危機にさらされていた。しかし幸いなことに、この世には天文を読み解き、呪術を操るだけでなく、陰陽二つの世界を自在に行き来し、霊体を司ることすら可能にする異能者がいた。彼らはそれぞれの能力を駆使して、陰陽二つの世界の均衡を保つため、己の命を懸け戦っている。そんな彼らを、世の人々は敬意をこめて、陰陽師と呼ぶ。魑魅魍魎たちが織り成すこの絢爛豪華かつ奇想天外な世界が、今あなたの目の前で始まる…

現在ご利用中ブラウザのバージョンが低いため、正常に表示されない場合は、IE10+、Chrome、Firefox、Safariの最新バージョンの利用を推奨します。 クローズ